消火水槽にてボールタップ取替工事

施工事例2025.07.10

オフィスビルで消火水槽ボールタップ取替工事を担当させていただきました。

【専門用語解説】消火水槽とボールタップ

  • 消火水槽: スプリンクラー等の水源となる巨大な水がめです。
  • ボールタップ: その水がめ(水槽)の水位を一定に保つための自動給水装置です。

消防設備点検の際に、このボールタップから水がポタポタと漏れ続けている「止水不良」が発覚したのが、今回の工事のきっかけでした。
今回は、この工事の具体的な内容と、現場で感じた「正直、ここが辛かった…」という裏話、そして工事を終えた後の達成感について、作業者目線でお話ししたいと思います。

工事の舞台裏:具体的な作業内容

一筋縄ではいかない!ボールタップ取替工事のステップ

一見すると単純な部品交換に見えますが、水槽内という特殊な環境での作業は、慎重さと正確さが求められます。

ステップ作業内容ポイント
1. 準備と安全確保水槽の元栓を閉め、マンホールを開放。送風機で換気し、投光器で内部を照らします。酸欠防止の換気と、暗所での視界確保は安全の基本です。
2. 減水と撤去水中ポンプで水を抜き、古いボールタップを専用工具で取り外します。配管を傷つけないよう、固着した部品を慎重に外すのが腕の見せ所です。
3. 清掃と取付配管の接続部に残った古いシールテープ(※)や錆を徹底的に清掃し、新しいボールタップを取り付けます。この清掃が甘いと後々の水漏れに繋がるため、最も神経を使います。
4. 復旧と最終確認元栓を開けて給水し、設定水位で確実に止水するか、接続部から漏れがないかを何度も確認します。

【専門用語解説】シールテープとは?
配管のネジ部分に巻き付けて、接続部の隙間を埋め、水漏れを防ぐための白いテープ状の部材です。

正直、ここが辛かった…作業現場での苦労話

今回の工事、実はいくつかの「壁」がありました。作業者として特に辛かったのは、以下の3点です。

  1. 想像以上の蒸し暑さと狭さ
    作業日は夏場で、水槽内はまさにサウナ状態でした。湿気と熱気がこもり、換気をしていても汗が止まりません。狭いマンホールから出入りし、限られたスペースで中腰の姿勢を続けるのは、想像以上に体力を消耗しました。
  2. 頑固に固着した古い部品
    設置から15年以上経過したボールタップは、配管にガッチリと固着していました。力を入れすぎれば古い配管を傷つけてしまう恐れがあり、かといって力が足りなければ外れません。「壊さずに外す」という絶妙な力加減が求められ、冷や汗をかきながらの作業となりました。
  3. 「絶対に漏らせない」というプレッシャー
    全ての作業を終え、最後に水を通して漏れがないかを確認する瞬間は、何度経験しても心臓がドキドキします。万が一、取り付けが甘く水漏れしようものなら、全ての作業がやり直しです。この無言のプレッシャーとの戦いが、精神的に一番こたえました。

工事を終えて:得られた達成感とお客様の安心

改善後のお客様からのお言葉

工事は無事に完了。現場は劇的に改善されました。

  • 目に見える改善
    あれだけチョロチョロと漏れていた水がピタッと止まりました。オーバーフロー管から常に排水されていた状態が解消され、無駄な水道料金の発生もストップできました。
  • 機能的な改善
    新しいボールタップは作動が非常にスムーズで、設定水位で確実に給水・止水を行います。作動音も静かになり、設備としての信頼性が格段に向上しました。

そして何より嬉しかったのが、完了報告の際にお客様からいただいた感謝の言葉です。私たちの地道な作業が、お客様の「安心」に直接繋がったことを実感でき、それまでの苦労が一気に吹き飛んだ瞬間でした。

まとめ:地道な作業の先に、確かな安全がある

今回は、ボールタップの取替工事の裏側を、私の感想を交えてご紹介しました。
消防設備工事は、華やかな仕事ではありません。むしろ、人目につかない場所での地道な作業がほとんどです。しかし、その一つひとつの確実な作業が、建物の安全を根底から支えています。

この記事を読んで、普段は気にすることのない「消火水槽」や「ボールタップ」の重要性を少しでも感じていただけたら幸いです。

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